インプラント治療
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インプラント治療Q&A Q&A

インプラントの材料はなんですか?

骨に結合させるインプラント体の部分は、主にチタンが使われています。チタンは金属の一種で強度が高いだけでなく、骨とも結合しやすいという大きなメリットがあります。また、チタンは金属のなかでもとくに金属アレルギーになりにくい素材とされており、安心してお使いいただけます。

インプラントはどのような構造になっていますか?

一般的には、インプラント体(人工歯根)、アバットメント(上部構造の土台)、上部構造(人工歯)の3つで構成されています。上部構造はアバットメントの上に乗せますが、セメントで上部構造をくっつけるタイプや、スクリューで固定するタイプなどがあります。こうした固定方法により、患者さまがご自身で上部構造を外せないようになっています。

インプラント治療のメリットはなんですか?

周囲の歯に影響を及ぼさず、自立して上部構造(人工歯)を固定できるのが大きな利点です。入れ歯やブリッジとは異なるポイントといえるでしょう。また、異物感がないので歯磨きしやすく、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。上部構造の部分はセラミックなどで作製するため、見た目が自然に美しく仕上がります。

インプラント治療にデメリットはありますか?

手術が必要となるため体に負担がかかり、全身疾患によっては適用できない場合もあります。また、治療が数ヵ月~1年ほどかかるので治療が終わるまで時間がかかり、自費診療となるので価格が高くなります。デメリットもご理解いただいたうえで、インプラント治療を受けるべきかご検討いただきたいと思います。

手術中は痛みがありますか?

骨を削るので痛いイメージをおもちの方が多いかと思います。しかし、手術のときは局所麻酔をするので、振動やひびくような感覚が伝わることはありますが痛みを感じることはありません。
手術後に麻酔が切れると、痛みや腫れが起こる場合があります。その際は、処方した痛み止めをお飲みいただくことで解消されます。

インプラント治療に必要な期間はどれくらいですか?

患部の状態やインプラントを埋入する場所などにより異なりますが、大まかにいえば数ヵ月~1年ほど見ていただくことになるでしょう。
治療の工程でとくに時間を必要とするのが、インプラント体と骨が結合するまで待つ治癒期間です。人工歯の土台をしっかり作る大切な期間となるので、状態を確認しながら慎重に治療を進めます。

インプラント治療は誰でも受けられますか?

骨などの状態が問題なければ、何歳でも治療を受けられます。ただし、手術をともなうため、高血圧症や心臓疾患、糖尿病、喘息、腎臓や肝臓の機能障害などをおもちの方は注意が必要なので、全身疾患をおもちの方は歯科医師とご相談ください。また、骨が少ない方には骨造成治療を行ない、インプラントを埋入できるようにします。

インプラント治療前はどのような検査をしますか?

インプラントを埋入できる状態か確認するため、骨の形状や厚さなどをCTで調べます。また、血液検査などによって全身の状態を詳しく調べるほか、歯周病の有無についてもチェックします。検査結果によってはすぐに治療へ進まず、ほかの問題を解消するところからスタートします。

治療直後に注意すべき点があれば教えてください。

まず、インプラントを埋入した直後は負担をかけないように気をつけてください。骨と結合したあとはいつもどおりに過ごしていただいて構いません。
また、インプラントと骨を結合させるためには、お口の中を清潔にしておくことが大切です。お食事がしにくい場合でも、スープや柔らかいものでしっかり食事をとり栄養を摂取しましょう。

インプラントを長く使うにはどうしたらよいでしょうか?

長期維持するために欠かせないのが、毎日の丁寧な歯磨きと定期健診(メンテナンス)です。インプラントは周りの組織が炎症を起こしやすいため、歯垢が溜まらないようしっかり清掃します。そして、歯科医院でプロのチェックを受け、クリーニングでお口の中をきれいにします。メンテナンスを受けていないと、炎症が進行するおそれがあります。

リスク・副作用

インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
  • 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
  • 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
  • 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
  • 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
  • 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
  • インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
  • 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。

骨造成にともなう一般的なリスク・副作用

  • 機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 外科手術が必要となります。
  • 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
  • 治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
  • 歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
  • 口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
  • 日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
  • サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
  • 体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
  • 骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。

CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用

  • コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
  • 人体に影響しない程度(デジタルレントゲン撮影装置の1/10以下)の、ごくわずかな被ばくがあります。
  • ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。

DAC プロフェッショナル(滅菌用洗浄器)について

  • 薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された機器であり、器具の除染・滅菌に使用します。
  • ハンドピースやタービンなどの回転切削器具の滅菌(内外部)ができます。

麻酔薬の使用にともなう一般的なリスク・副作用

  • 歯肉に塗布する表面麻酔や、一般的な歯科治療で歯肉に注入する浸潤麻酔は保険診療となります。インプラントによる治療などの自費診療(保険適用外)で笑気吸入鎮静法、静脈内鎮静法、全身麻酔を行なう場合は自費診療となり、保険診療よりも高額になります。保険診療となった場合も、高額になることがあります。これらの麻酔法を保険診療で行なうには治療内容など条件がありますので、詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 表面麻酔薬の使用により、じんましんやむくみなどを発症することがあります。
  • 浸潤麻酔の使用により、アドレナリンの影響で血圧上昇や動悸などを発症することがあります。高血圧症や心臓疾患のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
  • 笑気吸入鎮静法の実施により、ごくまれに効果が切れたあとの吐き気や嘔吐、末梢神経障害が現れることがあります。
  • 静脈内鎮静法の実施により、薬剤による影響や全身疾患との関連から重篤な副作用を引き起こすことがあります。持病のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
  • 全身麻酔により、吐き気や嘔吐、肺炎、アナフィラキシーショック、悪性高熱症などを発症することがあります。また、誤嚥性肺炎を起こすことがあるため、治療前日24時以降は絶食いただいています。
  • そのほか、麻酔薬の影響ではなく緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血により、悪心、吐き気、手足の震え・痺れが起こることがあります。
  • 麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
  • アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。

クリーニング・PMTCにともなう一般的なリスク・副作用

  • 内容によっては保険適用となることもありますが、歯の病気の治療ではないため自費(保険適用外)となることもあり、その場合は保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 歯科医院でのクリーニング・PMTCだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
  • 歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
  • 歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1~2日で歯肉は治癒します。
  • 着色汚れや歯垢・歯石はクリーニング・PMTCで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。

「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」について

公益社団法人 日本口腔インプラント学会」は、口腔インプラント学に関わる広い学識と専門的技能を有する歯科医師に対して、「口腔インプラント専門医」の資格を与えています。

「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」資格取得の条件

  • 5年以上継続して正会員である。
  • 研修施設に通算して5年以上在籍している。
  • 専門医教育講座を3回以上受講している。
  • 同会学術大会および支部学術大会に8回以上参加している。
  • 施行細則に定める所定の研修を修了している。
  • 口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦を得ている。
  • 施行細則に定めるインプラントによる治療の経験がある。
  • ケースプレゼンテーション試験に合格している。
  • 同会学術大会または支部学術大会において2回以上発表を行なっている。
  • 口腔インプラントに関する論文を同会学会誌または委員会が認める外国雑誌に1編以上発表している。

など

「日本口腔インプラント学会口腔インプラント専門医」資格保持の条件

  • 5年ごとに資格の更新をする。
  • 委員会の議を経て、理事会で更新される。

など
詳しくは、「公益社団法人 日本口腔インプラント学会 専門医制度規程」をご覧ください。

「日本口腔インプラント学会口腔インプラント指導医」について

公益社団法人 日本口腔インプラント学会」は、口腔インプラント学に関わる広い学識と専門的技能を有する歯科医師に対して、「日本口腔インプラント学会指導医」の資格を与えています。

「日本口腔インプラント学会口腔インプラント指導医」資格取得の条件

  • 10年以上継続して正会員である。
  • 研修施設に通算して8年以上在籍している。
  • 専門医教育講座を申請前直近の3年間に3回以上受講している。
  • 同会学術大会および支部学術大会に直近の10年間に10回以上参加している。
  • 同会学術大会および支部学術大会において6回以上発表(内2回は主演者)を行なっている。
  • 口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦を得ている。
  • 施行細則に定めるインプラントによる治療の経験がある。
  • 同会が指定する救命救急に関する講習会を1回以上受講している。

など

「日本口腔インプラント学会口腔インプラント指導医」資格保持の条件

  • 5年ごとに資格の更新をする。
  • 委員会の議を経て、理事会で更新される。

など
詳しくは、「公益社団法人 日本口腔インプラント学会 専門医制度規程」内「指導医の申請資格」以下をご覧ください。